(例題続2) 成果は脳科学やゲーム産業にとっても,大変有意義なものとなり,研究グループで論文にまとめ,発表することにしました。 A教授は(研究結果に影響を与えるわけではないので) ① コンサルタントを務めていることは開示しない ② 利益相反状態であることを開示する。

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(例題続1) ある日海外の大学で活躍するB教授から研究グループに加わらないかと誘われました。 “最近は,ゲーム機にBMI技術が用いられるようになっています。各会社のゲーム機について性能を比較することで,同分野の発展に寄与することを目的としています。”

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例題:A教授は,脳神経科学を専門とする大学教授です。また兼業として,ある会社のコンサルタントも務め,無償での機器の提供や客員研究員を受け入れています。その会社では,BMI(Brain-Machine Interface:脳と外界との情報の直接入出力を可能とする技術)を応用したゲーム機を開発しています。

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>「科学研究によって得られた結果は,科学者の誠実で正しい考察によるもの」※と信じられているのです。 その信頼を,私たち科学者が裏切ることは絶対に許されないことです。 ※[出典]アメリカ科学アカデミー,池内了(訳)『科学者をめざす君たちへ 第3版』化学同人,2010(平成22)年

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> まず査読を依頼されたときに確認することがあります。 ・査読対象の論文を適切に評価できる専門的能力を自身が持ち合わせているかどうか。 ・客観的な審査に影響を与えるような利益相反状態ではないか。 ・査読結果の報告について期限が遵守できるかどうか。

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> 候補者の知識レベル,年齢,さらには外国人を対象に含むような場合には文化背景,言語などをも考慮して,分かりやすい説明の方法を考える。 > (配慮しても)情報が理解されていないことに気がつかない場合が多いため,説明を理解したかどうかを確認するためのテストを行うぐらいの配慮が必要

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> 例えば単に書類を渡しただけでは,研究対象者が「理解」したかどうかまではわかりません。言葉で説明するにしても、受持ち医から持ち掛けられたので断りにくく、十分に内容を理解しないまま参加してしまう研究対象者もいるかもしれませんね。

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> そもそも研究対象者の候補者を選ぶ際にも自分の影響下にある人を安易に選ばないようにすることが大切です。大学などの教育機関に所属する科学者は基本的に自分の影響下にある学生を研究対象者に選ぶべきではありません。高額な謝金やその他の報酬を参加の対価として提示することも「自発性」を損なう

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インフォームド・コンセントには,「十分な説明」と「自由意思」に基づく「同意」が不可欠です。 これは,ベルモント・レポートで述べられているインフォームド・コンセントの三要素 ・情報(information) ・理解(comprehension) ・自発性(voluntariness) を基礎としています。

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